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第11回宿泊レスパイト


第11回:「18トリソミー児の沖縄交流会」

6月23〜26日に日本財団の助成で行った18トリソミー児の沖縄交流会の模様をご紹介します。
2年前に長野で行われた新生児呼吸モニタリングフォーラムという学会で18トリソミーに関するシンポジウムがあり、 そこで同席した沖縄の先生と、交流会を沖縄で行いましょう、と口約束をしたのが実現した企画でした。
沖縄の18トリソミー児や家族との交流会が主な目的ですが、わたしたちには人工呼吸器を付けた子どもたちを飛行機に乗せて連れて行くこと、 海水浴を楽しむことをもうひとつのミッションとして、沖縄の一般社団法人Kukuru(代表 鈴木恵さん)にお手伝いいただいて、実施しました。
わたしたちにとっても初めての経験、チャレンジで、事前準備の段階からKukuruの鈴木さんには何度か関西に足を運んでもらって入念に打ち合わせや搭乗の際のシュミレーションを行いました。

参加者は滋賀県の4家族、兵庫県の1家族、東京都の1家族で、18トリソミー児の年齢は1〜11歳、3人が常時人工呼吸器を付けて過ごされているお子さんでした。 滋賀・兵庫の5家族は伊丹空港から私たちスタッフ11人(医師4人、看護師5人、臨床工学技士1人、ソーシャルワーカー1人)とKukuruの鈴木さんと一緒に出発、 東京の1家族は羽田空港から出発し那覇空港で合流しました。
飛行機搭乗(シートへのこどもの固定、呼吸器や酸素ボンベ、吸引器などの設置など)はバタバタしながらも滞りなく(他のお客さんを待たせることなく)終えることができました。 座位のとれないこどもは、お母さんの膝に抱っこか、並びの2席に横になって、座席の下に呼吸器や吸引器や酸素ボンベを設置しました。


伊丹空港から出発した機内では上空に達して高度が安定するまでの間、 2人のお子さんは酸素飽和度が低下し呼吸器の圧設定を上げたり酸素を増量したりしてなんとかのりきれました。

2日目は午前中に沖縄の18トリソミー児3家族と沖縄のボランティアの方々と交流会を行いました。 沖縄の18トリソミー児たちは南国っぽい彫りの深い顔立ちがかわいく印象的でした。家族どうし、こどもどうし、交流を深めました。

午後からはビーチで浮き棒ポールやロングビート板などを利用してお子さんの状態に合わせて海水浴を楽しみました。 人工呼吸器を付けながら長時間楽しめたお子さんもいました。はじめての海でしたが、とても気持ちよさそうでした。 呼吸器を抱えたスタッフは海中に落とさないようどきどきでした。

3日目は沖縄の子どもたちと一緒に美ら海水族館に行き、お昼まで交流し、午後らはお別れして、イルカショーやふれあい体験などを楽しみました。 水族館のはからいで家族ごとにイルカにタッチさせてもらいました。
18トリソミー児のきょうだいたちもこの頃にはすっかり仲良しになっていました。 夕食のときは、きょうだいたちが自ら希望して家族から離れてテーブルを囲んで一緒に食べるほどでした。
1人、呼吸状態が悪化して地元の救急病院を受診するなどして、別行動になってしまいましたが、遅れて海水浴も経験でき、4日目に全員無事一緒に帰ってくることができました。
参加した18トリソミー児、きょうだい、親御さんみんなが楽しめた交流会になりましたが、私たち同行スタッフもKukuruさんや沖縄のボランティアの方々から多くのことを学ばせていただきました。
「人工呼吸器をつけているから」などという理由をつけて私たち医療者が子どもたちの活動に制限をかけ、彼らの可能性を狭めてしまっているのではないかと痛切に感じた体験でした。

今後、沖縄旅行をBFRの定例行事にする予定はありませんが、海水浴の経験をもとに、来年はびわこでの湖水浴を計画中です。 最後になりましたが、今回の企画全般に渡りご支援いただいた一般社団法人Kukuruの鈴木代表に深謝します。